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現代木版画

江戸時代の木版画と言えば浮世絵。広重、写楽、北斎、歌麿など有名どころが目白押し。当時浮世絵1枚がかけそば1杯分程度の価格で買えたそうです。大衆向けの出版物というか、娯楽というか、今では考えられないくらい安価で流通していました。木版原版の印刷耐久性は1万枚くらいだそうですが、通常は100枚程度印刷して、売れたらもっと刷るけれど、売れなかったら版木から彫りを削ぎ落として、また別の木版画を作成したそうです。せっかく彫ったのに勿体無いと思ってしまうんですが、当時は材料の版木が貴重で大事に無駄なく使ったんですね。もちろん片面だけでなく両面彫って使ってました。絵師の描いた原画も彫りの時に版木に貼られて一緒に彫られてしまうために残る事はありません。これまた惜しい話です。アート作品という感覚がなかった時代。でも、江戸期の大衆は安い料金で浮世絵を手に入れて、いつも手元に置いて、直接手に持って目で手で楽しんでいました。実にうらやましい環境です。現代木版画というと、すっかりアート作品になっていて、とても高価なものになってしまいました。買った人はたぶん額縁に入れて大事に大事に見ていると思います。直接手で持って鑑賞するなんて御法度、それこそ汚れちゃ一大事のはずです。もっともっと木版画が普及して、せめてかけそば10杯程度のお金で買えたら、何枚でも買えるのに・・今の状況を残念に思います。で、私がいいなあと目をつけている木版画が2作品と7点1セット作品。1作品13万円〜1セット37万円也。ちょっと、いや、かなり高嶺の花。でも、欲しい! 宝くじ当たらないかなあ・・・。

by fogcircus | 2013-10-21 21:54 | 雑記 | Comments(0)