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成年後見制度啓発講演会

「親亡き後の知的・精神障害者の困りごとや将来の不安に対する対応策などを学べる講演会」。ということでどんな話だろうと楽しみに参加してきました。話を聴いていて、やっぱり成年後見人制度は使いにくい制度なんだなあというのが実感です。愛知県弁護士会には1,500人の弁護士さんがいるそうですが、障害に詳しい弁護士さんは3名程度だそうです。というのは障害の程度は皆様々ですべて個別対応になること、若い人が多いので収入や家族、社会情勢等、将来の見通しが立てにくいからだそうです。元々、高齢者を想定している制度だと思います。法人後見はほとんどないそうで、弁護士や社会福祉士等の専門職に依頼することになるそうですが、当然報酬が発生する訳で相場は月1〜3万円。多くない収入と障害年金からやりくりすることになります。仕事がなくなったら、それこそ障害年金しか収入がない訳で。その他、被後見人本人は自分のお金が降ろせなかったり、キャッシュカードが使えないなど、多少の判断力のある障害者はどうして自分のお金が自由に使えないのかと疑問に思うことになるそうです。保佐、補助という選択もありますが、例えば、親自身が後見人として候補者になっても後見人を選ぶのは裁判所なので、第三者が選任された場合、不服申立ては出来ないし、申立ての取り下げも出来ません。障害のことをほとんど理解していない弁護士さん等が一生、後見人として障害者(我が息子)を保護・支援するということになります。この人とは合わない、なんて事もあり得ますよね。講演会で印象に残ったのは、親自身も後見人をつけるという視点が必要という話でした。親が判断能力を失ったら、親子共々アウトです。任意後見の大事さを知りました。それから自分の資産、例えばマンションを残してやりたいという時には兄妹の遺留分等も考えて、遺言を残しておくべきだそうです。いろいろと面倒な話ばかりです。講演会最後の質問タイムでは実際に後見人をされている人の話が聞けました。緊急時に仕事を休んで対処してもその報酬が貰えないとか、せっかく娘の為に面倒な手続きをして後見人になったのに、実際に親としてこれまでやってきたことと全く変わらない、後見人になった意味があるのか、といった話です。どうも成年後見人制度は気軽に使える制度ではない気がします。ただ、これからは本人の意思を尊重する制度へと変わって行く兆しがあるようです。もっといろいろ勉強しないといけません。やれやれです。


by fogcircus | 2015-03-07 21:54 | 雑記 | Comments(0)